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その他 投資のヒント

これからの土地活用とは?

空き地の活用は、戸建分譲の分譲や、賃貸マンション・アパートの建設などを思い浮かべます。空き地活用における市場環境を見てみると・・・実際のところは新設住宅の着工戸数の推移では、昭和62年の178万戸をピークに平成21年は77万戸まで減少し(※下の図)そこから令和5年までに100万戸を超える供給はできておらず、貸家着工戸数もバブル崩壊後、徐々に減少を続け、2000年(平成12)年度には約42万戸まで減少し、着工全体の34%程度にまで貢献度も縮小しています。これらは海外の政情不安や歴史的な円安の影響に加えて、日本の人口減や、成形された土地自体の減少なども考えられます。ほかにもいろいろ分析すると決して甘い環境にはないことがわかります。

土地活用とは、①所有する遊休地などの未利用地を自身の家を建築する、②収益資産として有効活用するなどです。私たちは長年経験と管理業務の経験を活かして資産運用のお手伝いをさせていただいておりますので、今回は②をテーマとして記事を書きます。もっとも土地活用といっても、土地の広さや形状、立地条件によってその土地を活用する方法は変化します。賃貸・オフィス・店舗・倉庫など、いくつかの可能性の中から最適な活用方法を選択することは容易なことではありません。

優れた土地活用による効果とは?

優れた土地活用を行うことは、個人の資産活用による経済的効果(賃料収入・節税効果)や、建設に関する仕事を創造し、人が定住することで街に活気を呼び込むことになり、地域の活性化にも寄与することができます。そこから新たな税収も生まれます。これらは社会を豊かにすることにもつながっていきます。このように私たちは土地活用とは単に土地所有者に経済的利益をもたらすだけではなく、社会に対する利益をもたらす広範な波及効果を伴った事業にすることで、長期的にも安定した収益が期待でき、土地所有者にもメリットを生みだすことになると考えています。

正しい企画を検討し実現させていく意義

活用により得られるメリットは個人でも社会的効果においても、あくまで適法で適切な土地活用をした場合が前提であることを念頭に置かなければ、長く安定した経営を実現させることはできません。短期的視点で利回り重視で長期的視点に欠けるプロジェクトも目にします。誤った土地活用をしてしまうと、土地所有者に大きな経済的ダメージをもたらし、社会的波及効果も大幅に低下してしまうということを強く認識しておく必要があります。

  • 収益物件を建設したが賃料設定が高く。当初の収益性を保つことができない。
  • 地域のニーズにマッチできず。住居や店舗の入居が決まらない。
  • 返済計画を建設主体の事業者に任せたため、融資条件が必ずしも有利とはいえず、また、運用後に余分なコストが発生してしまう。

実際に起こりやすいケースとして、入居者やテナントが集客困難になって収入を得ることができず、金融機関から融資を受けた事業資金の返済が滞ってしまい、残念ながら運営に困っている所有者様を多く見てきました。その時によく思うことは「金消契約をする前に、専門家の意見を聞いて欲しい」ということです。両親が付き合っていた企業で安心や、金融機関からの紹介・銀行から紹介された物件だから安心!と思ってしまうことは大いにあり得る話です・・が、不安に思うことがあれば、ほかの事業者や、投資経験者の意見なども確認してみましょう。※成功本も参考程度に留めておく程度が良い。

賃貸経営は、初期投資の大きな事業です。しかも、一度投資したものは簡単には変更できないため、その事業計画は重大事項です。土地活用の相談からスタートして、現況調査、市場分析やデータ集計、いくつかの可能性を想定した概算提案プランという流れを納得がいくまで繰り返します。最終的な土地活用の意識決定までは、早くても半年。長い場合には2年から3年という方もおられます。急な事業は見落としの可能性もあり、気持ちが高揚している場合には冷静に考える時間も必要です。こうしたプロセスを踏むことで、その後30年・・それ以上(次の世代)の投資事業者としての明暗を左右することに繋がっていきます!その意味で、土地活用は、土地のオーナーの人生そのものに深くかかわることであり、法人であれば、所有資産をどのように事業に活かしていくかという法人の未来戦略に直結していくことでもあるのです。

土地活用の提案を行うためには、土地オーナーの事業想定や理想とされる収支の水準が達成可能であるかの将来イメージを共有することは大切です。しかし時には、だめなものはダメというマイナス要素もお伝えする必要があります。こうした初期の対応が大切であることを実務の中で経験していることから、ブレーキ役としても強めに踏む場合もあります。これも提案者(プロ)の大切な役割と理解し取り組んでおります。

さらにこれからの土地活用を成功に導くためには、専門知識や経験、人脈を駆使して土地活用事業の全体を把握しながら、マーケティングやスケジュール管理、建築・管理・運営などについての専門知識を幅広く身に付け、設計・建築会社などと連携してプロジェクトを成功へと導く優れたコーディネーターとしての役割も果たさなければならないと考えています。

土地活用を行う際の目線

賃貸住宅の企画でたとえるならば、利用者の目線を最も重要視し、ニーズにあった間取りや仕様にすることが大事なポイントになります。あくまでも主役は利用者であって所有者ではないことを意識する必要があります。オーナー自体に事業全体のイメージまだ見えていない場合には、他に任せるのではなく、具体的な事業方針や数値化などを試みながら収益目標を明確にすることが大切です。他人に全てを任せると目標がぼやけてしまい、本当に目指すべき事業に到達できない場合があります。利用者が安心して活用できる賃料であるかなど、最終的に建物を利用する人を見据えることが最も重要です。ニーズや動向をしっかり捉えていなければ、長期的・安定的な収益性を担保することは絶対に不可能です。

冒頭にあげましたが、土地活用の計画を考えるにあたっては、活用の主役は利用者であり、利用者から喜ばれる土地活用こそが、事業成功への一番の近道と言えます。私たちアチーブメントプラスは、土地活用に限らず、賃貸管理事業を通じてご利用者目線の管理スタイルを貫くことで、投資家の資産運用を成功に導いて参りました。今後もこの方針に変わりはなく、続けて参ります!利用者ニーズに関してはまた別の記事にて触れることにいたします。

記事:株式会社アチーブメントプラス 森田

出典:国土交通省各種資料・公益社団法人東京共同住宅協会書籍など